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自動運転技術によって変わる未来


自動運転のトピックは昨年からどんどんと増えている。
CMでも日産が自動運転技術をアピールしている点からも現実味を帯びている人は増えてきていると思える。

僕自身、一昨年くらいから自動運転技術を追っているけれども、非常に期待しているテクノロジの一つだ。
僕は自動運転は賛成だし、自動運転技術が実用されることで、将来的には自動車事故が大幅になくなると思っている。

現在、自動車事故は減っているが、それでも、毎年4000名以上が命を落としている。

結局自動車事故の起因は運転手が大半であり、基本的に運転手が責任をとるものである。
自動車会社が歩行者に対して、事故から守るするという視点では今まで特段対策はなかった。
たとえば、エアーバックも、運転手の命を守るものであって、歩行者を守るものではない。

今までの潮流から視点が変わった例としてスバルの「アイサイト」がある。
アイサイトは衝突被害軽減ブレーキであり、車内前方に装備されたステレオカメラで前方を監視し、
障害物を三次元的に認識することで、走行を制御する。
このアイサイトを契機に、自動車会社は運転手だけでなく、自動車から歩行者を守るという視点に変わったと思える。

で、その行き着く先は自動運転だ。
自動運転にはステージ4まで分類されており、最終ステージが完全自動運転である。
このステージでは、加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーが全く関与しない状態を指す。

その結果、自動車事故はほとんどなくなるという期待がされている。

本当にそうか?と言う人も多いと思う。
システムで制御する方が危険なのでは?という人もいるだろう。

ただ、現状の自動車事故の原因は何か。
事故原因のほとんどは人為的ミスによるもので、脇見運転や安全不確認、運転操作ミス、
信号無視等の交通違反などによって、交通事故が生じている。
現に、交通事故の原因として、飲酒運転や危険ドラッグ、高齢者がブレーキとアクセルの踏み間違えなど
日々ニュースで取り上げられている。

それらを自動運転によって、人為的なミスがなくなり、交通事故自体がなくなる。

コンサルタント会社マッキンゼーによると、自動運転車が広く普及すれば、
米国では自動車事故全体の90%を削減できるかもしれず、年間で最大1900億ドル(約22兆8000億円)
もの損害や医療コストを節減でき、何千人もの命を救える可能性あると報告している。

ただ、自動運転後にもし事故を起こした場合、責任の所在が問題になるといわれている。
そうなった場合、完全自動運転であれば、自動車製造会社が責任になるはずだ。
そのようにしたくないからこそ、日本における自動車製造会社の腰が重いとも考えられている。

とはいえ、海外ではGoogleしかり、他の自動車製造メーカーだけにとどまらず、部品メーカーなども
自動運転に対して実証実験を積極的に行ったりと、ポジティブに受け止めている。
ポジティブに受け止めているというよりは、そうせざる得ないという動きもあるかもしれないが...

ちなみに、日本でも昨年度から内閣府を中心とした各テクノロジを軸としたワーキンググループが発足され、
自動運転もあげられている。
2020年のオリンピックをめどに自動運転を実現させる動きになっている。

自動運転は大きなトピックであり、今後さらに現実味を帯びてくると思われる。

少し脱線してしまうが、ビジネスにおいて現在必要なものは、問題の「軽減」、「防止」ではなく、
問題の「解消」なのであると思える。

この交通事故の問題を例にすると、「事故を少なくする」を目的にするより、「事故をなくす」を目的にすることで、
何かしらのアイデアが生まれ、イノベーションに繋がる。

少しでも問題を軽減させるという目的のビジネスよりも、
その問題自体をなくしてしまう、それの方が価値があり、社会的に貢献するビジネスになるだろう。

自動運転によって、今までの自動車産業の動きが変革する。
エコシステムが大きく変わるだろう。そういった点を今後個人的にウォッチしたい。

最後に、自動車の若者離れについて記載したい。
現在、自動車の若者離れが叫ばれている。
元々自動車は一般的な機能の他に自分のステータスでもあった。
○○を持っているということが周りからすごいと言われるとか、デートでは、ドライブをする際、こういう車がいいとか、
そういう価値だ。
それが今となってはあまりなく、自動車に関心のある若者は少なくなっている。

「走る喜び」とかマツダやスバルを中心に価値訴求がされているが、個人的にはそれが価値訴求しないと思っている。
たしかに、走ることが楽しいといった経験的な価値がマツダやスバルにおいて重要な要素になっている。
ただ、それが若者まで訴求しづらくなっている点もあり、若者の車離れは拍車をかけている。
しかも、自動運転が当たり前になると、その価値観すらもなくなり、自動運転になることで、車の価値基準というものは変わると思っている。
一般的な運搬する価値、それに付随するサービスが主軸になり、新しい価値訴求の視点が必要になる。

今後の自動運転技術は見逃せない。

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