東京都立美術館でやっている「ポンピドゥー・センター傑作展」は良い企画展だった
2016/06/21
上野の東京都美術館で「ポンピドゥー・センター傑作展」という企画展が9月22日までやっている。
待ちに待ったこの企画展に行ってきた。
まだ、開催して日が早いからかもしれないが、混雑状況は日曜日の昼頃で空いていた。
快適に作品を鑑賞することができた。
前企画展の「若冲展」とは大きな違いだ。
「若冲展」はあの混雑状況でだったから、行けずじまいだった。
「ポンピドゥー・センター傑作展」は、この夏オススメの美術館の企画展になること間違いない。
この企画展は、美術/アートにあまり興味ない人でも楽しめるようになっていると思える。
ポンピドゥー・センターとは?
この企画展の名称は「ポンピドゥー・センター傑作展―ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで―」である。
ポンピドゥー・センターは何かということについて、軽く触れておきたい。
ポンピドゥー・センターは、美術や音楽、ダンス、映画などの芸術の拠点として1977年にパリの中心部に開館した複合文化施設だ。
館内は、国立近代美術館、産業創造センター、音響音楽研究所IRCAM、公共図書館が入っている。
ポンピドゥー・センターの建物はとても特殊なデザインだ。
配管、階段・エスカレーターも外部にむき出しになっており、一度見ると忘れることができない構造物だと思う。
館内にある国立近代美術館は世界屈指の近現代美術コレクションであり、「ルーブル美術館」「オルセー美術館」と並んで
パリを代表する美術館であり、観光スポットになっている。
僕は大学生の時に、ポンピドゥー・センターに行ったが、大きな荷物を持ったままだったので、入場することができなかった。
いつか再度訪れたい美術館だ。
ポンピドゥー・センター傑作展の魅力
この「ポンピドゥー・センター傑作展」は大変魅力的な企画展だ。
企画展示の仕方が非常にユニークであり、幅広いモダンアートを楽しむことができる。
1906年から1977年までのタイムラインにそって、1年ごとに1作家の1作品を紹介という展示の仕方になっている。
最初の作品は1906年の作品で始まり、最後の作品が1977年の作品になっている。
つまり、時代に沿った作品を時系列でみることができる。
展示作品は絵画だけではなく、彫刻、写真、映像、デザインなど多岐にわたる。
また、ピカソやマティス、シャガールなど有名ところだけではなく、日本では見かけない画家も多く展示されている。
1906年から1977年にわたって作品を俯瞰するとともに、どういう作品が面白いとか気になるとか好きとか
より美術/アートを楽しむことができるのではないかと思っている。
作品毎にその画家が発言したメッセージも展示されており、メッセージを通してどういう画家なのかを踏み込んで知る機会にもなっている。
新国立競技場でザハ・ハディドと競った建築家・田根剛氏が展示デザインを担当しているため、
展示の仕方が他の展示方法と異なっており、面白い構成になっている。
構成の面白さだけでも、本企画展に行く価値がある気がする。
僕が好きな展示作品
この「ポンピドゥー・センター傑作展」で僕が好きだった展示作品を紹介する。
ぜひ、自分の好きな作品を見つけて欲しいと思う企画展だ。
・ブレッソン『サン=ラザール駅裏』(1932)
ぱっと見て、バランスがいい。
すごくダイナミックな写真であり、見た瞬間にびびっときた。
写真ってみても、いまいちピンとこない僕だけど、この作品には純粋にいいと思った。
・カンディンスキー『30』(1937)
記号のような抽象絵画で有名なカンディンスキー。
30というとおり、30の四角いマスにそれぞれ異なるものが描かれている。
モノクロの作品で、色彩をなくした作品の中で表現されているものが面白いし、親しみやすいと思う。
・マティス『大きな赤い室内』(1948)
マティスは独特な色彩とタッチで有名で、日本でも「ブリジストン美術館」(今は休館中だけど)
などで観ることが出来る。
色彩と立体的でないところがユニークで、どことなく親しみのある作品が多い。
この作品も、赤を基調として、平面的な絵だ。
でも、なんだかんだわかるし、色と採り方とか面白い。
床の動物の毛皮もなんだかかわいらしい。
この作品、マティスが78歳時に書いたもので、それ自体がすごいと感心する。