消費動向係数(CTI)はビッグデータを活用した事例になるか?
3月22日、総務省統計局が「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」の報告書が公表されました。
「消費動向係数(CTI)」という新たな統計指標体系を開発し、市場分析や景気動向などに役立てるというということです。
現状、家計消費指数で家計消費の動向 をより安定的に把握しておりますが、CTIを活用することで、さらに消費動向を捉えることができる見込みだということです。
CTIが実際に活用されるとなると、家計簿アプリのデータやPOSデータをさらに活用できるようになり、今まで以上に分析等で役立てると思われます。
消費動向関数とは
総務省統計局によると、以下の定義になります。
(引用元:http://www.stat.go.jp/info/guide/public/kakei/pdf/170322_1.pdf)
ちょっとわかりづらいので、すこし噛み砕くと
POSデータや家計簿アプリなどのデータを使って、今まで以上に消費面の係数として役立てることができ、様々な分析に使える指標ということになると思います。
CTIのデータセットは現状「家計消費状況調査」「家計調査」「家計消費単身 モニター調査」をすべて包括され、さらにデータを活用することで、今まで以上にカバーすることができます。
家計調査の改善へ
家計調査とは、日本国内の家計の支出を通じて個人消費を捉えることができる調査を指します。
今までは家計調査の指標で行っており、毎月公表されています。
(http://www.stat.go.jp/data/kakei/5.htm)
調査方法は標本調査であり、全国約4,700万世帯の中から、約9,000世帯を抽出して調査しています。
家計調査の問題点として、色々ありますが、3つあります。
標本数の少ないという点、対象に偏りがある点、調査方法に手間がかかる点です。
CTIを導入にあたり、そういった問題点を解決させることが見込まれます。
また、家計調査は紙での記載であり、それがオンラインでできるという点も大きな改善点でもあります。
(まだ、紙ということが驚きです。集計するのも大変ですね・・・)
CTIはデータの重要性を活かす事例になるか?
CTIはデータの重要性を活かす上で絶好の事例になると思われます。
ぼくはビッグデータという言葉があまり好きではありません。(バズワードっぽい)
ただ、それでもPOSデータのさらなる活用、マネーフォワードなどの家計簿アプリからのデータを扱うことで、家計のデータをより精緻にすることができるという点はいいなと思います。
さらに統計局から公開されれば、色々な業界でも活用することができるのではないでしょうか。
今までが想像以上に微妙なデータ取得方法であったので、スマートでさらなる価値を提供してくれるCTIには期待がもてます。
またCTIの期待できるのは拡張性です。
POSデータとかだけではなくて、ECなどのデータも活用できる点、
支払い方法(現金、クレジットカード、電子マネー)などからも情報を取得できるため、より詳細な情報がアウトプットできるはずです。
その結果、本当の意味の「ビッグデータ」を活用できると点で、期待できる事例になるのではと思っています。
設計方法等はまだまだ詰める点は多そうですが、面白いトピックでした。
参考
詳細は、統計局の報告書で上がっています。
(http://www.stat.go.jp/info/guide/public/kakei/pdf/170322_2.pdf)