瀬戸内アートをめぐる旅~直島~
4日目と5日目は直島にした。
瀬戸内アートの旅もラストの島。
予算なんてないようなお金のかかったアートがたくさん存在する(良い意味でも、悪い意味でも)。
でも、僕がアートに興味を持った島でもあり、アートに興味がない方でもおすすめの場所だ。
特徴
言わずもがな、瀬戸内国際芸術祭の代表となる島である。
直島は元々ベネッセの協力のもと、瀬戸内国際芸術祭の前から地中美術館や家プロジェクトなどを開催している。
アートで観光地化させた島である。
高松から50分程度(高速艇だと30分)。岡山宇野港だと20分という立地であり、一番フェリーの便は多い。
直島が一番人の出入りがあり、多くの観光客がアートを見ようとこの島に訪れる。
他の島以上に海外からの観光客も多いのも特徴の一つである。
また、ベネッセの宿泊施設(高すぎ)や民宿など宿泊施設も多くある。
アート施設も多く存在する。
地中美術館、家プロジェクト、李禹煥美術館、ANDO MUSEUM、ベネッセハウスミュージアム。他に、銭湯がアート作品になっている点がユニークである。
言葉は悪いが、一番企業っぽさがある島だ。(営利的な意味で)
というのも、入場料が高い施設が多く、作品・建物のレベルも高すぎる(値段的に)。
贅沢な作りになっており、これだけの施設をつくるためにどのくらいお金をかけたんだろうという疑問が湧いてくる。
特にベネッセ施設のところはそれがすごく、ベネッセ自身、むしろ嫌いになりそうな勢いを出す。
とはいえ、僕がアートを好きになるきっかけを作ったのも直島だから、あんまり批判的には書きたくないけれど、6年の時を経て、そんなことを思う。
「家プロジェクト」の方が地元の人が頑張っている感があって、ベネッセ施設のところよりは相対的には好きだけれど。
所要時間
1日~2日は必要。
アートの島ということもあって、たくさんのアートがある。
ただ、問題として、作品が点在している。そのため、バス移動か自転車移動となる。
個人的には、晴れていれば、自転車移動がおすすめだ。
ただ、豊島ほどの坂じゃないけれど、坂道が多いので、足に自信のない人は電動自転車にした方がいいかもしれない。
あと、ベネッセ施設、地中美術館と李禹煥とベネッセハウスミュージアムはそれぞれ歩いていけるが、結構離れている。自転車も会期中、GW中は使えないので、シャトルバスを利用した方がいいと思う。
作品
ANDO MUSEUM/安藤忠雄
安藤忠雄氏のミュージアム。最近できたっぽいので、初めて入る。
彼の作品の軌跡をみることができるほか、安藤自身の建築物を眺めることができるのだ。外見は一般的な民家であるが、入ると、安藤ワールドが拡がっている。安藤建設を触れるには持ってこいな施設だ。
角屋 / Sea of Time ’98ほか/宮島達男
デジタル数字のカウントで有名な宮島達男氏の作品。
水の中に入った多くのデジタル数字が眺めることができる。
それぞれの数字のカウント間隔は異なる。何度も何度も数字がカウントされる。インパクトのある作品だ。
護王神社/アプロプリエイトプロポーション/杉本博司
杉本博司氏が神社を設計するという大きなプロジェクト作品。
地下の石室は入場するために待ち、4人程度が懐中電灯を渡され、鑑賞することができる。
石室の中には、ガラスの階段で本殿と結ばれている。なんかよくわからないけれど、神々しい。
南寺 / バックサイド・オブ・ ザ・ムーン/ジェームズ・タレル
安藤忠雄設計の建物で、ジェームズ・タレルの作品を楽しむという贅沢なもの。この作品は15分要するため、入場するために整理券が配られる。
僕が行った時は1時間後の整理券であったので、整理券をもらったあと、他の家プロジェクトを周るといいと思う。
本作品は真っ暗闇の中、目の前の光を観るという作品であり、
目がなれるまでに5~10分程度要する。
始めは真っ暗で何も見えないが、目が慣れていくにつれて、目の前の光が見れるという体験型の作品だ。
それまでの過程も合わせて、直島に来たらぜひ体験した方いい作品だ。
また、僕も体験したいと思う。
碁会所/須田悦弘
五色椿が植えられた庭に面した和室に、椿の花が散りばめられている。
本物ではなく、木彫なようだ。
特段、面白いわけでもなく、あぁ、綺麗で終わってしまった作品だった。
個人的にこれで300円はちょっとと思う。
石橋 / ザ・フォールズ / 空の庭/千住博
千住博氏の滝を描いた作品が圧巻。
ものすごく贅沢な倉だと思う。
はいしゃ / 舌上夢 / ボッコン覗/大竹伸朗
良い。元々は歯科医院兼住居だった建物を鬼才大竹伸朗氏がまるまる改装した作品。すごくエッジが効いていて好きだ。
桜の迷宮/安藤忠雄
本当に安藤忠雄かと思うほど、微妙な作品だった。
サクラが咲いても、正直微妙だと思う。
期待したのに、残念だ。
彼方の気配/戸高千世子
池の水面に白い羽根のようなオブジェ。
風が吹いてもそこまで揺れ動かず。
もうちょっと多くてもいいかなと思う。
地中美術館/安藤忠雄
美術館といえど、3つの部屋しかない。
モネ、タレル、ウォルター・デ・マリア。
そして、建築は安藤忠雄。
贅沢すぎる建物。作品空間だ。
ここで一番好きなのは、ウォルター・デ・マリアだ。
贅沢な空間を用いたインスタレーションで記憶に残る作品になっている。
モネの部屋はモネの睡蓮を一番贅沢に使っているけれど、本建造物にあるモネは正直いって微妙である。
モネの睡蓮だと、大原美術館にある睡蓮の方が個人的に好き。
タレルのオープン・スカイは天気が良ければ、おすすめだ。
21美術館で観ることができるが、こちらも光の捉え方が素敵だ。
嫁が昼寝タイムだったので、30分程度ここに滞在したが、
ほとんどの観光客が1分くらいしかいなかった。
一番印象に残った観光客は、「この作品ダサい」と言っていた。
そういう感想も重要だと思う。
だけど、この感想を発した人はシャネルとかグッチとかブランド物を持ちまくっていた女性で、この人自身にそのまま返りそうだなと心のなかで思ってしまった。
李禹煥美術館/李禹煥
設計も安藤忠雄で、すごく贅沢な空間を使った美術館だ。
6年前は行けなかったので、今回は行くことができて嬉しかった。
作品、作品の置き方、レイアウト、すべてが素晴らしい。
時間を忘れて、見入ってしまった。
作品と対話というテーマは非常に重要なことだと思う。
ベネッセハウス ミュージアム/安藤忠雄
美術館として成立するのは、李禹煥美術館と、ここだけだと思う。
作品の数は一番多いので、ちゃんとした美術館に行きたいと思う人には最適。
ベネッセの福武氏のコレクションは純粋にすごいなと感心してしまった。
印象に残った作品は、須田悦弘「雑草」ジャスパー・ジョーンズ 「ホワイト・アルファベット」だ。
少しアクセスしにくい場所にあるが、足を運びたい場所だ。
他にもミュージアム周辺には作品がたくさんあり、散策にも適している。
ベネッセハウスの宿泊料は高すぎる(僕だったら星野リゾートに行く)。
でも、ベネッセハウス限定にアートが見れるらしいので、特別感はあると思うが..
直島パヴィリオン/藤本壮介
港が見れる場所におしゃれ空間。
このモニュメントは中に入ることができる。さらに、夜になるとライトアップされ、美しい。
赤かぼちゃ
/草間彌生
直島の代表するアート。
フェリーで直島に着くと、最初に出迎えてくれる作品。
中に入ることができ、写真スポットしても最適。
直島銭湯「I♥湯」/大竹伸朗
銭湯そのものが作品という仰天アート。
手がけたのは、はいしゃや針工場、女根を手掛ける大竹伸朗氏。
参加するというか、お風呂に入って鑑賞するというのが面白い。
しかも、細かい箇所、随所ネタが敷き詰められている。
お湯に浸かりながら、大竹ワールドを体験できる最高な場所。
謎のBGMもやみつきになる。